はじめに:デザインの先にある、本当の「良い家」とは?
横浜・神奈川・東京エリアで、理想の注文住宅を思い描くとき、誰もが心躍るデザインや、こだわりの間取りを想像するでしょう。しかし、その美しい空間で、ご家族が永く、本当に安心して快適な毎日を送るためには、目には見えない部分、すなわち「住宅性能」が何よりも重要になります。
日本は、世界有数の地震大国です。いつ起こるか分からない大地震への備えは、家づくりにおける絶対条件と言えます。また、年々厳しさを増す夏の猛暑や、冬の厳しい寒さから家族の健康を守り、快適な室内環境を保つことも、暮らしの質を左右する大切な要素です。
「耐震等級ってよく聞くけど、結局どれくらいがいいの?」 「断熱性が高いと、何がいいことがあるの?」 「長期優良住宅って、お得なの?」
そんなあなたの疑問に、家づくりのプロである私たちが、専門知識がない方にも分かりやすくお答えします。「耐震」「断熱」という住宅性能の基本から、国が認める「良い家」の証である「長期優良住宅」の価値まで、徹底的に解説します。

なぜ今、注文住宅の「性能」がこれほど重要なのか?
「性能」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。しかし、性能を高めることには、ご家族の暮らしにとって計り知れないメリットがあります。その理由は、大きく3つです。
1. 家族の「命」と「財産」を守るため(耐震性能)
言うまでもなく、日本は地震大国です。政府の地震調査委員会は、南海トラフ沿いの巨大地震(M8クラス)が今後30年以内に発生する確率を「80%程度」と予測しており、横浜・神奈川エリアも決して例外ではありません。 住宅性能、特に耐震性能は、このような巨大地震からご家族の命を守るための最後の砦です。そして、万が一の際に大切な家が倒壊・損壊しないことは、ご家族の財産を守り、その後の生活を再建するための基盤となります。
参考「気象庁:南海トラフ地震に関する情報」

2. 家族の「健康」と「快適な暮らし」を守るため(断熱性能)
住宅の断熱性能は、単に「夏涼しく、冬暖かい」という快適さだけでなく、家族の健康に直結します。 冬場の寒い脱衣室やトイレで起こりやすい「ヒートショック」は、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険な現象です。家全体の温度差をなくす高い断熱性能は、このリスクを大幅に低減します。
また、高断熱・高気密な家は、アレルギーの原因となる結露やカビの発生を抑制し、クリーンな室内環境を保ちます。さらに、冷暖房の効率が格段に上がるため、
光熱費を大幅に削減できるという経済的なメリットも見逃せません。
3. 家の「資産価値」を維持するため
これからの時代、住宅は「消費」するものではなく、長く価値を保ち続ける「資産」として捉える視点が重要です。耐震性や断熱性に優れた高性能な住宅は、長期にわたって快適な居住環境を維持できるため、一般的な住宅に比べて資産価値が落ちにくくなります。将来的に売却や賃貸に出す際にも、有利な条件で取引できる可能性が高まります。
【耐震性能】巨大地震から家族の命を守る「家の強さ」の基準
住宅性能の中でも、まず最優先で確保すべきが「耐震性能」です。その強さを示す客観的な指標が「耐震等級」です。
「耐震等級」とは?3つのレベルの違いを理解しよう
耐震等級は、地震に対する建物の強度を示す指標で、3つのランクに分かれています。
- 耐震等級1
- 建築基準法で定められた、最低限の耐震性能です。
- 震度6強~7に達する程度の大地震で、即時に「倒壊・崩壊しない」レベルとされています。
- しかし、これはあくまで「最低限」の基準。一度は耐えられても、建物が大きく損傷し、その後の余震で倒壊したり、大規模な修繕が必要になったりする可能性があります。
- 耐震等級2
- 耐震等級1の1.25倍の地震力に耐えられる強度です。
- 学校や病院などの公共建築物に求められるレベルで、「長期優良住宅」の認定基準の一つでもあります。
- 耐震等級3
- 耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる、最高ランクの耐震性能です。
- 消防署や警察署など、災害時の防災拠点となる建物に求められるレベルであり、最も安全性が高いと言えます。

なぜ「耐震等級3」を目指すべきなのか?
「建築基準法(耐震等級1)を満たしていれば大丈夫なのでは?」と思われるかもしれません。しかし、近年の大地震では、建築基準法ギリギリの住宅が大きな被害を受けた例も報告されています。
耐震等級3を目指すべき理由は明確です。
- 繰り返す「余震」にも耐えうる強度:
大地震の後は、本震と同程度の余震が何度も発生します。一度目の揺れでダメージを受けた家が、二度目、三度目の揺れで倒壊するリスクを最小限に抑えます。 - 地震後の「生活」を守る:
等級1が「命を守る」最低ラインであるのに対し、等級3は「生活を守る」レベルです。建物の損傷が軽微で済むため、避難所生活を余儀なくされることなく、自宅での生活を継続できる可能性が高まります。 - 資産価値の維持:
建物の損傷が少ないことは、修繕費用の抑制に繋がり、家の資産価値を高く維持することにも繋がります。
【断熱性能】夏涼しく冬暖かい。快適さと健康を支える家の仕組み
次に重要なのが、一年を通して快適な室内環境を保つ「断熱性能」です。
「断熱性能」とは?魔法瓶のような家
住宅における断熱とは、「家全体を高性能な断熱材ですっぽりと覆うこと」です。ちょうど、熱いお湯が冷めにくく、冷たい飲み物がぬるくなりにくい「魔法瓶」のようなイメージです。 これにより、
- 冬:
室内の暖房で暖められた空気が外に逃げにくくなる。 - 夏:
外の厳しい暑さが室内に入り込みにくくなる。 という効果が得られます。この性能を客観的に示すのが「UA値」と「C値」です。
性能を見極める2つの数値「UA値」と「C値」
- UA値(外皮平均熱貫流率):
- 「熱の逃げやすさ」を示す数値です。家の壁や屋根、窓などから、どれくらいの熱が外に逃げていくかを表します。
- このUA値は、数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高い家ということになります。
- 「熱の逃げやすさ」を示す数値です。家の壁や屋根、窓などから、どれくらいの熱が外に逃げていくかを表します。
- C値(相当隙間面積):
- 「家の気密性(隙間の量)」を示す数値です。家全体にどれくらいの隙間があるかを表します。
- このC値も、数値が小さいほど隙間が少なく、気密性能が高い家ということになります。
- いくら高性能な断熱材(高いUA値)を使っても、家に隙間(大きいC値)だらけでは、そこから熱が逃げてしまい、断熱性能を十分に発揮できません。「高断熱」と「高気密」は、必ずセットで考える必要があります。
- 「家の気密性(隙間の量)」を示す数値です。家全体にどれくらいの隙間があるかを表します。
なぜ「高断熱・高気密」が重要なのか?
高断熱・高気密な家は、私たちの暮らしに3つの大きなメリットをもたらします。
- 快適性:
家の中の温度差が少なくなり、リビングも廊下もトイレも、ほぼ同じ快適な温度に保たれます。冬の朝、布団から出るのが辛い、といったこともなくなります。 - 健康:
ヒートショックのリスクを大幅に減らせるほか、結露を防いでカビやダニの発生を抑制するため、アレルギーや喘息の改善にも繋がると言われています。 - 省エネ:
冷暖房が効率よく効くため、最小限のエネルギーで家全体を快適な温度に保つことができます。結果として、月々の光熱費を大きく抑えることが可能です。
ハビタットが手掛ける「高性能デザイン住宅」の具体的な施工事例や、
お客様の声が満載の最新カタログをお届けします。
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【長期優良住宅】国が「良い家」と認める、これからのスタンダード
これまで見てきた「耐震性」「断熱性」を含め、様々な厳しい基準をクリアし、国から「長期にわたり良好な状態で使用できる優良な住宅」として認定されたのが「長期優良住宅」です。
「長期優良住宅」とは?
長期優良住宅は、単に性能が高いだけでなく、「作りやすく、維持しやすく、長く快適に住み続けられる」家であることを目指した制度です。認定を受けるためには、以下の項目などで国が定める基準をクリアする必要があります。
- 耐震性:
耐震等級2以上であること(地震保険料の割引も適用) - 省エネルギー性:
高い断熱性能を有すること(UA値の基準をクリア) - 劣化対策:
構造躯体が数世代にわたり使用できること - 維持管理・更新の容易性:
内装や設備のメンテナンスがしやすいこと - 居住環境:
地域の景観や居住環境に配慮されていること - 住戸面積:
良好な居住水準を確保するために必要な規模があること - 維持保全計画:
定期的な点検・補修に関する計画が策定されていること
施主が受けられる5つの大きなメリット
厳しい基準をクリアした長期優良住宅には、施主にとって非常に大きなメリットがあります。
- 税金の優遇措置:
- 住宅ローン控除:
一般住宅よりも控除の借入限度額が大きくなります。 - 不動産取得税:
課税標準からの控除額が大きくなります。 - 登録免許税:
税率が引き下げられます。 - 固定資産税:
減税される期間が延長されます。
- 住宅ローン控除:
- 【フラット35】Sの金利優遇:
- 全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】において、当初の金利が一定期間引き下げられる【フラット35】S(金利Aプラン)を利用できます。
参考「フラット35:金利引き下げの対象となる住宅イメージ」
- 全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】において、当初の金利が一定期間引き下げられる【フラット35】S(金利Aプラン)を利用できます。
- 地震保険料の割引:
- 耐震等級に応じた割引が適用され、等級3の場合は最大の50%割引となります。
- 耐震等級に応じた割引が適用され、等級3の場合は最大の50%割引となります。
- 補助金の活用:
- 「こどもエコすまい支援事業」の後継事業など、国の補助金制度において、認定を受けていることが補助額の上乗せ条件となる場合があります。
- 「こどもエコすまい支援事業」の後継事業など、国の補助金制度において、認定を受けていることが補助額の上乗せ条件となる場合があります。
- 高い資産価値:
- 客観的な性能評価を受けているため、将来の売却時に有利な査定が期待できます。住宅履歴情報も整備されるため、買い主へのアピールポイントにもなります。
まとめ:これからの注文住宅は「性能」が当たり前の基準になる
今回は、注文住宅における「性能」の重要性について、耐震・断熱、そして長期優良住宅という観点から解説しました。
美しいデザインやこだわりの間取りはもちろん大切です。しかし、それらは全て、家族が安全・健康・快適に暮らせるという揺るぎない土台があってこそ、本当の意味で輝きます。
- 耐震等級3の安心感。
- 高断熱・高気密がもたらす、一年中快適で健康的な室内環境。
- そして、それらの性能を国が証明し、税制面でも大きなメリットを享受できる長期優良住宅。
これらはもはや、一部の人が選ぶ特別なオプションではありません。横浜・神奈川・東京エリアで賢く、後悔のない家づくりをするための「新しい当たり前」であり、ご家族の未来への最も確かな投資と言えるでしょう。
私たちハビタットは、デザイン性の追求はもちろんのこと、今回ご紹介した「耐震等級3」「高い省エネ性能」「長期優良住宅の基準をクリアする設計」を、お客様一組一組の暮らしに寄り添った「特別な住まい」としてご提案しています。